中高生の環境教育の可能性 ~探究活動~ ⑩
現代社会はとんでもないスピードで変化し続けています
多様な人々が暮らし、多様な価値観があり、変化し続け、そのスピードはどんどん速くなる社会となりました。
そのような社会に対応するために必要な力は従来どおりの学校教育では対応できないとして、日本の中学校や高等学校(特に高等学校が意欲的に実施)では様々な取り組みが進められています。その一つに「探究学習」という取り組みがあります。「探究学習」とは自分なりの問いをもって、それを解くために自分で工夫して、自分なりの納得する答えを見つける一連の取り組みのことを指します。そのような力はどのような時代でも人が生きていく中で必要なものではないでしょうか。
「探究学習」について複数の著書を執筆されている熊本大学教育学部の苫野一徳さんによると「自分なりの問いを立てて、自分なりの仕方で、自分なりの答えにたどり着く力=探求する力」となるそうです。
変化の激しい社会を進んでいく子どもたちにこそ「子どもたちが自分たちなりの問いを立て、自分たちなりの仕方で、自分たちなりの答えにたどり着く」そのような経験をたっぷりとすることが大事になるのではないでしょうか。
そのような「探求学習」は思春期の子どもの足もとの自然とつながる工夫の一つとして大切なものとなるのではないでしょうか。
足もとの自然や環境について問いを立てるためには、興味あること・好きなことについてどっぷりとつかって知識を吸収し経験することが大切になります。小さなころから足もとの自然と関わった経験と知識があればそこから「?」が生まれます。その「?」から探求が始まります。 そして、自分がこうすればうまくいくと思ったことを実際に実践してみる。うまくいくときもあれば上手くいかないときもある。 子どもはこのように行きつ戻りつしながら、足もとの自然に関わりが深くなっていくのではないでしょうか。こうして、試行錯誤しながら、時には人とぶつかりながら少しずつ大人に近づいていくのではないでしょうか。
そして、私達が活動する石川流域には探求の材料がたくさんあるのではないでしょうか。それら足もとの自然と関わり続けると様々な「?」(社会課題)が存在することに気づきます。
これらの課題を子ども自身が地域の人たちとともに気づき、解決に向けて行動する=「探求」の学びを実現できればさらに面白いと思っています。 実際には、共感と探検と社会活動の関係には複雑な相互作用があり、両立しておこることもあれば、共感のプロセスは探検が始まっても続いたり、社会活動が子ども期の早い段階で生まれることもあるでしょう。
自然の探検は、子ども時代の初期に始まり7歳から11歳のころ最も盛んではありますが、
思春期でも、喜びとして、あるいは社会的問題に直面した際の力の源としてなることもあります。
また、地域に密着し、子どもたちに管理可能な範囲で展開されるのであれば、社会的な活動も早くから生まれても問題はないでしょう。
大前提として、それぞれ個人差はあり、各段階が入り交じる複雑な相互作用があります。
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