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ヨシ原で威勢よく鳴く オオヨシキリ

●オオヨシキリについて

 5~6月にかけての初夏、

南河内を流れる石川沿いを歩いていると「ギョッギョッ、ギョシギョシ、ゲゲゲ・・・」と目立った声が河川敷のヨシ原のあちこちから聞こえてくることがあります。


鳴き声はこちら



正体はオオヨシキリAcrocephalus orientalisという鳥の仲間です。

ヨシキリという名前の由来にもなっているように本種は河川敷や湖沼周辺に生えるヨシ原に渡来して繁殖する夏鳥です。


上面は全体的に灰褐色でお腹側は淡褐色と鳴き声とは対照的に目立たない体色をしており、保護色となるヨシ原では鳴いていてもなかなか姿が見つからないことがあります。

繁殖期にはヨシなど河川敷に生える高径草地のブッシュの中でお椀上の巣を作って繁殖します。

かつてはヨシ原のほか草の生えた空き地など比較的どこでも見られる種類でしたが、近年は生息環境となる質の良いヨシ原の減少などが原因で減少傾向にあり、大阪府のレッドリストでは準絶滅危惧種(NT)に指定されています。

南河内では幸いにも石川沿いにはヨシ原がまだ残されており、比較的普通に見ることができますが、河川以外の湖沼やため池などではヨシが生えていても本種がいないこともあります。

初夏、本種の声が聞こえてきたらぜひ観察してみてください。 


 【参考文献】 真木広造・大西敏一・五百澤日丸(2014).決定版 日本の野鳥650.平凡社.792pp