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約30年間知られずに滝畑ダム湖でくらす アユ


陸封型(りくふうがた)

生活の中で海を利用する魚はたくさん存在する。そんな海を利用する魚の中には何らかの影響で海に行くことができず、一生を淡水域で生活する「陸封型(りくふうがた)」という系統がある。 富田林高校科学部の研究で石川の最上流部に位置する滝畑ダム湖に陸封型のアユがいることが明らかになりました。 


どうして最上流の滝畑ダムにアユがいるの? 

富田林高校などのDNA分析の結果、滝畑ダム湖のアユは琵琶湖からきたことがわかりました。1982年9月に1度だけ滝畑ダム湖に琵琶湖系のアユが放流されたという記録があり、30年以上ひっそりと滝畑ダム湖で世代をつないでいたことになります。 


滝畑ダムのアユはどうして小さいの? 

 どうして滝畑ダムのアユは小さいのでしょうか? 滝畑ダムのアユは春は水生昆虫を食べ、夏は藻類を主に食べる生活を送っています。下流のアユとは違う食性を持っています。しかし、専門家によるとアユの大きさを決めているのは食べているものではなく、生息している密度だそうです。 滝畑ダムのアユは狭い範囲にとてもたくさんのアユが密集して生息しています。一方、下流のアユは広範囲に生息しています。生きものがその密度によって、成長率や死亡率、行動に変化が起こることを一般的に密度効果と言います。    




すんでいる場所と広さも全然ちがう! 

滝畑アユ ダム湖の水位で大きく変わり,生息範囲は減水時で約600m,満水時で180mの距離 下流のアユに比べて3倍の密度で生息 下流のアユ 大和川〜石川まで生息可能 約20km 

努力の成果は論文としてHPに掲載されています


記事執筆協力 画像提供:科学教室力塾 大阪府立富田林高等学校科学部