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石川流域には4種類のカメがすんでいます! 見分けることが出来ますか?


ニホンイシガメ (イシガメ科 イシガメ属 ) 

ニホンイシガメは、日本に明治時代よりも昔から住んでいる生き物である在来種にあたり、

日本にしか住んでいない日本固有種でもある。見た目の特徴としては、

金亀とも称されるその金色(黄色)の甲羅と長い尻尾、そして足にあるオレンジ色の

ラインが最も他のカメとの違いと言える。 大きさはオスが10~14 cmくらいの大きさで、

メスはオスよりも大きく、20 cmにも成長する。 そして、最大の特徴と言えるのが

その生活環境である。 カメと言えば、池や沼から殆ど動かないイメージがあるが、

ニホンイシガメは池の外どころか半径1 km以上の範囲を季節ごとに移動している事が、

近年わかってきた。例えば、田んぼに水を張り田植えが始まる6月頃にやってきて

ドジョウを食べたり、山に移動して木の実を食べたり、時には畑にやってきて

熟しすぎて落果したミニトマトを食べる等々、季節により食べ物や住みかを求めて、

縄張りの中で山・川・田んぼ・池や沼を移動して回っている。

この事から、ニホンイシガメの住んでいる場所は、山・川・田畑の整備の連携が取れた

素晴らしい里山だと言える。 


クサガメ  (イシガメ科イシガメ属) 

クサガメは中国・朝鮮半島が原産のカメであり、日本に生息しているクサガメは、

江戸時代頃に朝鮮半島から九州北部に持ち込まれたものが西日本に広がった。

分類としてはニホンイシガメと同じイシガメ科イシガメ属であり、

同じイシガメ属の中でも特にニホンイシガメに近い種類だとされているカメである。

大きさはニホンイシガメよりも遥かに大きく20~30cm程にもなり、

特徴としては真っ黒な甲羅と3本のキール線、頭部の黄色い線等が挙げられ、

この辺りのポイントを見ることで他のカメと区別が可能である。

生態としては池だけでなく水路から田んぼ等にも移動するが、顎の構造状、

水中でしか物を食べられない事からニホンイシガメと比べると、

そこまで水辺から離れることはないとされている。

また陸上での移動もニホンイシガメと比べると不慣れなためか、田んぼ横の道路等で、

たまに轢かれてしまった個体(ロードキル)が見かけられる。 


二ホンスッポン(スッポン科キョクトウスッポン属) 

大きさは15~40cm。ニホンイシガメと同じく日本に元から住んでいる種である、

在来種であるとされるが、近年在来種のニホンスッポンとされていた在来群の中に

大陸産の外来型がいるという説がある。

喉の部分の毛細血管が発達している事から溶存酸素を取り込む事ができ、

水中に特化している。普段は水底の砂や泥に長時間潜っているため見つけづらい。

ただし、ごくまれに日光浴のために水の上に出てくる姿を確認できる。

見分け方は水かきのみの足と薄い甲羅。 

日本に古来から来た甲羅の丸い在来集団のみかと思われていたが、

外国から来た甲羅の細長い外来集団も生息しているという説がある。  


ミシシッピアカミミガメ 

       (ヌマガメ・アカミミガメ族)

おそらく大多数の人々が最も見たことのあり最も馴染みのあるカメだと思われる。

ミシシッピの名が表すとおり、原産地はアメリカの五大湖南岸からメキシコ湾まで、

子供の頃は甲羅が緑色をしている事からミドリガメとも呼ばれる。大きさは20~28cm程、

水が汚かったり塩分があっても生きることができ、

コンクリートで護岸された掃除していない池やどぶ川(道頓堀川など)

はたまた汽水域や海にも住んでいる事がわかっている。

見分け方としては暗緑色の甲羅と黄色い腹甲、耳・頭部の特徴的な黄色と

赤色のライン等から他のカメとは判別が可能である。 


記事執筆 画像提供:清水大河 (元長野北高校理科同好会 現近畿大学)