②「自然はどこにでもある —自然の見つけ方を学びましょう―」 TED-書き起こし エマ・マリス

TED講演 書き起こし(もとの動画は以下です)   


 では、北米を例に考えてみることにしましょう。 ここは北米ですからね。

 約一万五千年前、人間が初めてやってきて自然と関わりをもつようになりました。 その結果、大型動物の大量絶滅を引き起こしました。マストドンや巨大な地上性ナマケモノやサーベルタイガーといったすごい動物は残念ながらことごとく絶滅しています。 そして、動物たちが絶滅すると、生態系も変化していきました。大規模な連鎖反応により草原が森へと変化し、森林を構成する樹木も変わりました。 

ですから、このような楽園=一見、人間が来る以前の完璧な状態を保っているように見える場所でさえ、私達が見ているのは、実は人間に影響された風景なのです。 これは先史時代だけでなく、有史時代の人間、そして先住民から、最初に現れた開拓者に至るあらゆる人間です。 そして、これは他の大陸でも同じことです。 人間はとても長い間大きな影響力を持って、自然に関わり続けてきたのです。 


つい最近、ある人が私に言いました。

「まだ手つかずの自然がありますよ」 私はこう答えました。「どこですか?行きたいですね」 するとその人は言いました。「アマゾンです」 「アマゾンですか! この前行ってきました」「素晴らしいところですよね」 ナショナルジオグラフィックの派遣でペルー・アマゾンのマヌー国立公園に行ったのです。 そこは広大な熱帯雨林で伐採されておらず、道もなく国立公園として保護された世界で最も生物の多様性に満ちた国立公園の一つです。 カヌーに乗って、そこへ行った時、私が目にしたもの それは人間でした。 人々は何百年、何千年もの間、そこに住んでいます。 ただジャングルを行き来するだけでなく生活を営み、周囲の環境と密接な関係を構築していました。 彼らは狩りをし、作物を育て、植物を栽培しています。 彼らは天然資源を使って家を建て、屋根をふきます。 彼らは野生動物をペットにもしました。そこに住む人々は自然と交流しているのです。 これはとても意味のあることですし、交流の跡を環境の中に見ることができます。

 この視察で一緒だったある人類学者が川を下っている途中こう言いました。「アマゾンには人間がいない場所はないんだ」 この言葉は私の頭から離れません。 アマゾン全域で状況が似ているという意味だからです。 人間のいない場所は無いのです。 他の熱帯雨林も同じです。 熱帯雨林だけではありません。 過去、人間は生態系に影響を与えましたが、現在もあまり目立たない場所にまで、影響を与え続けています。 

もし私達が使おうとする自然の定義に『人類が触れたことがない』とか「人が存在しない」という内容が含まれ、その定義のせいで「自然はない」という結論になるなら、おそらく定義が間違いなのです。 自然の定義は複数の種が存在することや、生命が繁栄していることに基づくべきでしょう。 そのように考えると、結論はどうなるでしょう? 

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