⑤「自然はどこにでもある —自然の見つけ方を学びましょう―」 TED-書き起こし エマ・マリス
TED講演 書き起こし(もとの動画は以下です)
フィラデルフィアのことです。
そこには素敵な高架鉄道がありますが、地上から見ても分かる通り廃線になっています。
マンハッタンの空中公園ハイラインができる直前とよく似ていますがこちらはまだ計画中で公園として整備されていません。
ですから今のところ、フィラデルフィアの中心部にもかかわらず、まるで秘密の原野のようです。 もしあなたがフェンスの穴を見つけ、高架上によじ登ることができれば、大都市フィラデルフィアに浮かぶ完璧な野生の草地を見ることができます。 ここに育っている植物はすべて、種から自然に生えたものです。 完全に自律し、勝手に発生した自然です。 都市のど真ん中なのにです。 この場所でいくつかの生物調査が行われた結果、50種類以上の植物があることがわかりました。 しかも、植物だけではありません。 ここは一つの生態系、それも機能している生態系です。 土壌が作られ、炭素が分離され受粉が行なわれています。 これは本物の生態系なのです。
科学者はこのような生態系を「新しい生態系」と呼ぶことにしました。 なぜならそこは外来種が支配する極めて奇妙な環境だからです。 それは私達が初めて目にする環境です。 長い間このような新しい生態系は価値のないものとされてきました。 ここで言っているのは、雑草の生えた農地や日常的に管理されていない山林、再生した森林全般や、農地が西武に移動した後に森林が生じた東海岸全域のことです。
また、ハワイではほとんどの場所に新しい生態系があるのが普通で、圧倒的に外来種が優勢です。 この森にはクイーンズランドメイプルや東南アジア産のタマシダがあります。自分で新しい生態系を作ることもできます。 それはとても簡単です。 ただ、庭の草刈りをやめれば良いのです。 フィンランドの生態学者イルッカ・ハンスキはある実験をしました。 彼は庭の草刈りをやめ、数年後、何人かの大学院生を呼び、彼の庭を調査したところ、375種類の植物が確認でき、その中には2種類の絶滅危惧種もありました。 将来、フィラデルフィアの空中公園になるであろうこの場所はこのような野生や、多様性や、豊かさと活気に満ちています。
下を覗くと地元の学校の運動場が見えるような場所なのです。
ココにいる子どもたちには、私の定義によれば自然と呼べる場所はたくさんありますが、ここは自然とは言えない数少ない場所の一つでしょう。
人間を除いて何もありません。
他の植物や動物はいません。
私が本当にやりたいのは、この場所にハシゴをかけて子どもたちと一緒に登り、涼し気な草地に行くことです。
0コメント