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採集狩猟にめざめる10歳前後は秘密基地や大探検がキーワード「足もとの自然から始めよう」翻訳者に聞いてみた②

「足もとの自然からはじめよう」として日本語に訳し、自身も環境教育を実践する慶應義塾大学名誉教授の岸由二さんに8〜12歳の子どもの環境教育についてインタビューしました。 



子どもたちは、小学校の2~3年生くらいから秘密基地をつくりはじめます。

秘密基地をつくれる場所はマンションの端っこやいろいろな場所。

でも、その場所をできるだけ自然の場所にしてあげることができたら自然とつながって良いですよね。 

それで、4年生とか5年生くらいになると仲の良い子どもたちで大探検をします。そこで地球とつながるように町や都市の構造自体を工夫したい。 

ゲームの中の世界の大探検ではなくて、現実世界の大探検に誘導してあげるんですね。


例えば、私が活動する鶴見川流域では、流域全域に散在する市民活動の拠点や、行政・企業の環境拠点を、スタンプラリーで巡れるような工夫を進ています。テレビゲームやゲームセンターのモニターの世界や、競技スポーツのフィールドが自分の居場所だと感じるだけではなく、自然の中に安全で楽しい大探検できる場所をつくれるよう、そもそも地域をデザインする必要があるんですね。

採集狩猟にめざめる10歳前後、秘密基地や大探検で、生きてゆく世界の配置やチームワークを学ぶ4~12歳。それぞれの年代の、潜在的な興味、学習傾向をしっかり活かした自然学習すすめる必要があるのだろうと思いますね。

また、5年生くらいになると感情と行動を分けることができるようになる。理屈を駆使する教育は、その頃からでいいのではないかな。