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鱗粉を変えて冬を越す!タテハチョウの仲間 〜キタテハ〜

北海道から九州まで日本の広い地域に分布しているタテハチョウの仲間

その中でもキタテハは、はねの表側がオレンジ色に黒い斑点があるきれいな色

なのに対して、はねの裏側は夏は黄色、秋は枯れ葉のような地味な茶色なのです。

この地味なはねのおかげで冬越しをしている間、枯草の上でじっとしていれば

「隠れ身の術」を使った忍者のように外敵から身を隠すことができます。 



▲ウラギンシジミもあたたかそうな毛がはえている


キタテハは日本の寒い冬をどうやって乗り切るのでしょうか。

キタテハは日本の寒い冬をどうやって乗り切るのでしょうか。そのカギを握るのは鱗粉の形です。  キタテハに限らず、チョウのはねには鱗粉と呼ばれる粉が規則正しく並んでいます。通常、魚のウロコのような形をしているのですが、越冬するキタテハのはねの裏側の鱗粉の一部は細長い毛のような形になっています。

 みんなが冬になるとコートやマフラーを身につけるのと同じで、鱗粉の毛でできた暖かい

コートを身にまとうのです。

 しかし、常にコートのような鱗粉では、冬はよくても夏の暑さに耐えられないでしょう。

そこで、冬越しするキタテハと、そうでないキタテハでは鱗粉の形が異なります。 

冬越しするキタテハのはねの裏側は、色が茶色い「秋型」で、鱗粉の毛がたくさんはえています。

一方、夏のはねは色が黄色の「夏型」で、鱗粉はウロコ状で毛は少ししかありません。 

冬はコートで、夏はクールビズ。キタテハ も季節に合わせて

身に着ける鱗粉を選んでいるのですね。 

キタテハの冬と夏の違いほど大きな差はなくても、

種類によって鱗粉の色や形は異なります。

捕まえたチョウのはねを虫めがねやルーペで観察すれば、鱗粉の違いに気づくでしょう。