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ナマズ 石川流域のお魚ソコソコ解説


みなさんナマズという魚を知っていますか?ひげがあって、のっぺりとした魚というイメージを持つ人が多いと思います。ナマズの学名はSilurus asotusといいます。また、マナマズやニホンナマズとして呼称されることもあります。


Ⅰ.ナマズの外見

ナマズには、体表にうろこがなく、粘液があってぬめりが強いです。体は平たくのっぺりとしていています。口ひげは上下両あごに2本ずつあります。稚魚の時には、加えて下あごに2本ありますが、成長につれて消滅していきます。両あごにじょ骨に鋭い歯が帯状にあります。体表に見える白い点は感覚器官です。

Ⅱ.ナマズの生態

主に河川や農業水路、浅い沼に生息し、ため池にはめったに生息しません。産卵は、ドジョウと同じように浅い水たまりや水田に遡上し、夜間に産卵する。この時、オスがメスに巻き付き産卵します。仔稚魚は、小動物(小魚やカエル)などを貪欲に捕食し、みるみる大きくなります。


Ⅲ.ナマズの分布

本州、四国、九州。石川流域にも生息しています。


Ⅳ.ナマズの民族

ナマズは、ドジョウと同じように古くから利用されていました。江戸時代では、大きなナマズが地震の原因として考えられていました。また、冬にうまいとされかば焼きや煮つけとして食べられています。また、秋篠宮殿下は東アジアのナマズと人との関わりについて研究をされています。(ちなみに、上皇陛下はハゼ類の分類の研究をされている)


Ⅴ.ナマズの仲間

日本には、ナマズ、イワトコナマズ、タニガワナマズ、ビワコオオナマズのナマズ科の魚が4種類います。(石川流域にはナマズのみが生息)。イワトコナマズは体が茶色から黄褐色を帯びており、琵琶湖のみ生息しています。タニガワナマズは、中部地方に生息し、河川中上流域に多く生息します。タニガワナマズは、近年存在が明らかになった種類です。ビワコオオナマズは、名前の通り琵琶湖・淀川水系に生息し、最大で1.3mにも成長します。大味であることから食用には適しません。大雨が降ることができて発生する水たまりに産卵するときの迫力はものすごいです。

また、チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)というアメリカ原産のナマズが日本に侵入し問題となっており、先日の鉄腕ダッシュでも取り上げられていました。在来生態系を破壊することが懸念されています。ペットで購入したナマズを野外に放すことは絶対にやめましょう


Ⅵ飼育の仕方

ナマズは肉食なので、肉食底棲魚用の餌を与えることと、ナマズがスッポリ入るくらいの土管を用意してナマズが隠れることができるようにしましょう。



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Ⅶ 参考文献

参考にした文献です.もっと知りたい人や興味のある人は読んでみてはどうでしょうか.

大阪市立自然史博物館.2020.知るからはじめる外来生物

~未来へつなぐ地域の自然~.大阪市立自然史博物館.大阪

細谷和海.2019.増補改訂 日本の淡水魚.山と渓谷社.東京

斉藤憲治.2018.くらべてわかる淡水魚.山と渓谷社.東京

蒲原稔治.1966.標準原色図鑑全集4 魚 .保育社.大阪