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カワバタモロコ



カワバタモロコの繁殖映像

カワバタモロコ

Hemigrammocypris rasborella

石川流域では1箇所のため池を除き、発見されていない。産卵期は梅雨で、黄金色になった複数のオスが、メスを追尾するかたちで産卵がおこなわれている。

カワバタモロコは日本の固有種で、 約 110 年前に滋賀県彦根市にあった松原内湖(現在は消失)で発見されました。1960年代以前は、西日本の小川や池沼に生息しているごく普通の魚でした。しかし、現在はすべての府県で減少し、絶滅危惧種に指定 されてしまうほど希少な魚になってしまいます。


1.生息域 

カワバタモコは静岡県を東限とし、中部地方よりも西に生息しています。水深の浅い湖や池沼、ため池、用水路、小川などに生息しています。また、砂泥底を好み、川や湖などではあまり流れのない、水草などの水生植物が多い岸辺を、少数の群れになって水面近くから中層を泳いでいます。 


2.食性 

小さな仔魚は餌が少なくなる秋までに、小さなプランクトン(ワムシ類など)をたくさん食べて成長します。そして、春から産卵する夏までの間は、大型のプランクトンなどをエサとします。 


3.形態 

成魚でも全長5 cmほどで、オスよりもメスの方が大きくなります。背面は緑色を帯びた褐色で、腹部は銀白色をしています。また、体側面には灰褐色の縦帯が眼の後ろ辺りから尾びれの基底までにあります。側線は不完全で胸びれの上方までで終わり、下方に湾曲しています。そして眼は大きく、口がやや上向きについています。 


4.繁殖生態 

カワバタモロコの多くは6~8月の夏の間に産卵します。 卵は水草や水に浸かった岸際の植物にばらばらに産み付けられます。また、孵化までの時間がひじょうに短く、ほぼ1昼夜しか掛かりません。


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ギャラリー

繁殖期のカワバタモロコ



稚魚