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謎多き ナナフシ! 


●ナナフシ(竹節虫)とは 

ナナフシは昆虫類の中でナナフシ目Phasmatodeaに属する昆虫を指します。名前の由来として腹部に七つの節があるからとされていますが、実際には7節ではなく11節あります。一般的には細長い身体と脚を持ち、植物の枝などに擬態したり、周囲に溶け込む保護色で天敵から身を守っています。日本には生息していませんが、葉っぱそっくりに擬態しているコノハムシもナナフシの仲間です。分類学的にはバッタなどの仲間に近いとされ、同じく不完全変態の昆虫です。翅は退化している種類も多いですが、トビナナフシ類のように翅を持つ種類もいます。ただし、飛翔はあまり上手ではありません。へたに飛んで逃げるよりも植物そっくりな身体を活かして隠れてやり過ごす方が向いていたのかもしれません。 


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●ナナフシはどこにいるの?

 ナナフシは温帯~熱帯まで生息していますが、多くは熱帯域に分布し暖かい地方を好む昆虫です。四季があり、寒い冬期のある日本では種類は非常に少ないですが、近年では分類学の発展に伴い、琉球諸島を中心に新たな種も発見されています。生息場所では天敵に見つからないように自分の身を隠せる緑や落ち葉、枯れ枝の多い森林や雑木林などの林内や林床、林縁部で出会うことができます。市街地の公園でもある程度緑化が進んでいるところでは見かけることがあります。 


●ナナフシは何を食べるの?

 ナナフシは植食性であり、おもに広葉樹の葉っぱや新芽などを食べます。多くのナナフシは餌となる植物の種類を選びませんが、一部の種では特定の植物しか食べない種類もいます。


 ●ナナフシってどうやって増えるの?

 ナナフシにはオスとメス両方いますが、しばしばメスだけで繁殖する単為生殖を行います。種類や地域差もありますが、日本では比較的寒い地方にいる個体群は単為生殖を行い、九州や琉球諸島など暖かい地方ではオスの比率が増え両生生殖を行う傾向があります。本州では一部の種類のオスが未発見であったり、あるいは非常に稀だったりすることもあるので見つかると話題になることもあります。 








【参考・引用文献】 宮武頼夫・加納康嗣(1992).検索入門 セミ・バッタ.保育社.216pp. 日高敏隆・石井実・大谷剛・常喜豊(1996).日本動物大百科 第8巻 昆虫Ⅰ.平凡社.190pp.