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フィールドサイン

皆さん、「フィールドサイン」という言葉を知っていますか?

直訳すると「野生の印」となりますが、

自然関係の用語としてはフィールドにおける「野生動物の痕跡」という意味で使われています。

自然界には生き物たちが活動している中で現場に残った様々な痕跡があり、それらがフィールドサインということになります。

具体的にいえば動物が野外に残した足跡や食痕、糞や巣などが該当します。

一見するとただの足跡や糞とかぁと思いがちですが、生き物の生息調査をしたり、その生態を調べるうえでは見逃せない重要な目印となっています。

特に日中はあまり見られない夜行性の種類や警戒心の強い動物たちを調べるでは重要な生息情報につながります。


例えば足跡では形状や足幅、指の数などによって種類を見分けることができたりしますし、

食痕や糞ではそれを調べることにより動物たちがどのようなものを食べているのか、

どのように食べているのかなど動物たちの生態の一端を垣間見ることができます。


また、巣やねぐらなどでは巣材としてどのような素材を使っているのか、

繁殖の有無なども確認できたりと情報が盛りだくさん詰まっています。


哺乳類などの生き物を探したいけどなかなか見つからない場合などはこのフィールドサインを探すことでその生き物を探す手掛かりになったりすることもある

ので、野外に自然観察などで出かけた場合はぜひ観察してみてください。 


 【参考文献】 

日高敏隆(監修)(1996).日本動物大百科1 哺乳類.平凡社.156pp. 日高敏隆(監修)(1996).

日本動物大百科2 哺乳類.平凡社.156pp. 山口喜盛(2017).

フィールドで出会う哺乳動物観察ガイド.誠文堂新光社.208pp.