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カマキリ特集!



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●カマキリ類(蟷螂目)とは 

カマキリ類は通称であり、昆虫類の中ではカマキリ目Mantodeaに属する昆虫を指します。

比較的大型な種が多いことや鎌状の前脚がかっこいいので人気の高い昆虫の一つです。細長い身体と小さな▽頭、そして、名前の由来にもなっている鎌状の前脚がカマキリの最大の特徴です。

色が緑や褐色が多いので一見、バッタ類に近縁そうに思えますが、実際には見た目が全く違うゴキブリ類やシロアリ類と近縁です。主に熱帯など暖かい地方を中心に多くの種類が生息しています。残念ながら北方よりに位置しており、四季があって冬の寒い時期もある日本ではカマキリの生息にはあまり適しておらず種類も数えるほどしかいません。 



●カマキリはどこにいるの? 

種類によって異なりますが、草地や林縁などが多いです。

オオカマキリやチョウセンカマキリでは山や農耕地の草地環境、

ハラビロカマキリでは林の樹の上、

コカマキリやヒメカマキリでは林縁、

ヒナカマキリは林内の薄暗い環境などと異なっています。

今では各地で激減してほとんど見れなくなったウスバカマキリも草原環境を好みます。 



●カマキリは何を食べるの? 

成虫・幼虫ともに肉食性です。

鎌状の前脚は捕獲脚と呼ばれ、それを使って主に昆虫などを捕食します。

オオカマキリなど大型な種類では昆虫だけでなく、本来は食べられる立場であるはずのヤモリやトノサマガエル、ハツカネズミなど昆虫から見れば大型な動物類をも時には捕食してしまいます。

また、カマキリは共食いもよく行い、自分と同じ種類や別のカマキリも捕食することもしばしばあります。 



 ●カマキリのおしりから出てくる黒いのって何?

 よく質問として挙げられるのが、カマキリを飼っていると腹部の末端から黒っぽいor白っぽい何かでてくるというもの。

あれはハリガネムシという線形動物の仲間です。

▶ハリガネムシについてはこちら


ハリガネムシ自体は河川やため池などにすむ水生生物ですが、幼体のころはカマキリなどの昆虫類に寄生して栄養をもらって生活しています。

成長するとカマキリを操って水辺に移動させ、溺死させたり、お腹から脱出して水中に戻ります。

陸上の昆虫であるカマキリなどにどうやって寄生するのか。

ハリガネムシの幼生は水中で水生昆虫に食べられながら寄生し、やがて水生昆虫は成虫になって陸上に上がり、後にカマキリなどの肉食性の昆虫に捕食されて体内に宿ります。回りくどい方法ですが、このように食物連鎖をうまく利用して宿主に寄生するわけです。非常に興味深いですね。 


●ミズカマキリはカマキリの仲間ではないのですか? 

ミズカマキリはカマキリの仲間かと聞かれることもあるのですが、たしかにカマキリに似て細長い姿や捕獲脚を持っている点では似ていますが、あちらは水生のカメムシの仲間です。



ほかにもウスバカゲロウに近い仲間のカマキリモドキ類やハエの仲間のカマバエ類も前脚がカマ状の捕獲脚を持っていますが、ともに全く違う昆虫です。


このように違う分類群の生物が似たような目的(今回の場合は捕食目的)で似たような姿になることを収斂進化といいます。

オーストラリアにすむ有袋類でも同じようなことがいえます。


ほんと生き物って面白いですよね。 

【参考文献】 宮武頼夫・加納康嗣(1992).検索入門 セミ・バッタ.保育社.216pp.  


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